祖母の涙

1月3日朝7時2分。母と二人で祖母を見舞いに電車に乗る。

祖母は昨年5月に倒れて入院し、以来、母と伯母が3日おきに見舞っている。家から電車で片道3時間、往復半日かかる遠距離介護だ。

私は恥ずかしながら今日の今日まで一度も見舞いに行けなかった。行かなかった、という方が正しいかもしれない。母方の祖母とはあまり良い思い出がなく、ついつい足が遠のいてしまっていた。

祖母の病室に入る瞬間、心の準備ができず一瞬からだが強張った。

カーテンを開けると、白いベッドに祖母の寝顔が驚くほど小さくあった。私は目は一瞬凍る。そこに私が記憶していた祖母の面影は無かった。何と表現すれば言いのだろう、邪気や邪念のようなものがスーッと消え去っているのだ。

祖母はうつろに目を開けると不思議そうに私を仰いだが、「おばあちゃん」と声をかけると、横を向いて顔を皺くちゃにして泣いた。
私は「今まで来れなくてごめんね」と言いたかったが、涙が溢れてきそうなので、慌ててトイレに駆け込んだ。
そこで、思いっきり泣いた。

しかしいつまでも泣いてるわけにはいかない。本番はこれからだ。
お湯で絞ったタオルで顔と身体を拭き、ベビーオイルを塗る。ドライシャンプーをして、足をマッサージする。爪を切り、ハンドクリーム(のはずが洗顔フォームだった。新年早々伝説を更新!)を塗る。「清清した」と気持ち良さそうなおばあちゃん。

「おばあちゃん、今まで会いに来れなくてごめんね。今年はもっと来るからね」
今度はちゃんと言えた。おばあちゃんの顔はまたしわくちゃになった。
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by bebalanced | 2006-01-03 17:29 | Something New...
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