今日はミャンマー、ベトナム、中国、カンボジアから繊維専門家を招いて国際シンポジウム。 シンポジウムがスムーズに流れ出したところで、ふと、会場前に配架されていた本の「遠近 をちこち―”世界で愛される日本食”」というキャッチに目が留まった。 開くと、「日本の食文化を世界にどう発信するか」というテーマの対談や、世界各国のフードジャーナリストや料理専門家が、日本料理の名店を訪れた記事が掲載されている。 記事を読み進めて行くと、この本を出版している国際交流基金の業務内容が浮き彫りになる。”芸術文化の国際交流”といわれてもいまいちピンとこなかったが、仕事の切り口さえ違えど、やっていることの内容は今の組織と大体同じだな、と思った。 そうなると、急に文化の国際交流を身近に感じたりする。 そして、文化の中でも食文化の世界への発信に興味を覚えたり。 記事は非常に興味深かったが、読めば読むほど、自分の日本の食文化に対する無知を実感する。懐石料理、精進料理、茶の湯など、学ぶべきものをたくさん見つけてしまった。 ここ1、2年の間、マクロビオティックを本格的に学ぶために、ボストンにある学校に留学したいと思っていたけれど、当たり前だけど私は日本人であり、私の目指すライフスタイルや精神性みたいなものって、日本料理の精神と技に脈々と受け継がれ、息づいているんじゃないの、と思う。なんだか頭の中のパラダイムのベクトルが、海外から国内へと変換された感じだ。 ここまで書くと、インド人研究者G氏が教えてくれたNative of Knowledgeという概念を思い出す。昔の人は馬鹿じゃない、昔の人の知恵を疎かにするなということで、目新しいものにすぐ飛びつく現代人を戒める意味であるそうだ。 マクロビオティックに新しいから飛びついたというつもりはないが、その原点は日本食や日本の伝統文化に見出せるのではないかと思う。 ともかく、明日からシンポジウムの招聘者を連れて愛媛県今治市にタオル産業視察。食事は純日本料理だから、この本を参考にして日本料理について説明しよう(というか、予約した担当者として説明させられるんだけど)。4月からは研究者だけじゃなく、研修生も受け入れる、もっと国際交流メインの部署に異動になる予定。ここ2-3年は、私にとって日本を研究するために与えられた期間なのかもしれない。
by bebalanced
| 2007-03-14 01:21
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